
「うちの子、聞けば答えるけれど、自分からは考えていないかもしれない」。そんなふうに感じたことはないでしょうか。宿題でも、少しひねった問題になると「わからない」で止まってしまう。そういう場面が続くと、このままで大丈夫かなと不安になりますよね。
考える力は、生まれつきの性質ではなく家庭での関わり方で十分に伸ばせます。特別な教材やまとまった時間がなくても、毎日の声かけを少し変えるだけで、子どもの様子は変わっていきます。
この記事では、子どもが自分で考えなくなる原因の見分け方から、家庭での関わり方、AIとの付き合い方までを順番に整理しました。読み終えるころには、今日からわが家で変えることが一つ見つかるはずです。
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考える力とはどんな力か

考える力とは、自分で問いを立てて答えにたどりつこうとする力です。
まずは、この力が知識を覚える力とどう違い、なぜいま大切になっているのかを、順番に見ていきましょう。
知識を覚える力との違い
漢字や九九のように、覚えれば身につくのが知識です。考える力はそれとは別もので、覚えた知識をどう使うか、答えが一つに決まらない場面でどう判断するか、というところで働きます。
たとえば「水は0度で凍る」と覚えているのが知識だとすれば、「ではどうして冬の池は表面だけ凍るのだろう」と問いを立てて理由を探すのが考える力です。
関連記事:小学生の非認知能力 | 高い子・低い子の見分け方と家庭での育て方
AIが答えを出す時代だからこそ考える力が大切になる理由
いまは、わからないことをAIに聞けばそれらしい答えがすぐ返ってくる時代になりました。
便利な一方、保護者500人への調査(アタムアカデミー調べ)によると、学習時のAI利用を認める家庭が増えつつも、保護者のいちばん大きな不安は「考える力の低下」という結果が出ています。
参照:リセマムアンケート(500人への調査)|勉強・宿題にAI利用55%、保護者の不安1位「思考力の低下」
しかし、この不安があるからこそ、AI時代には考える力がこれまで以上に重要になります。AIがどれだけ上手に答えを出しても、何を質問するか、返ってきた答えが正しいかを判断するのは人だからです。自分で考え、判断する力があれば、AIに頼りきりになるのではなく、目的に合わせて使いこなす側にまわれるようになるのです。
子どもが自分で考えなくなる主な原因
「考えない」理由は子どもによってさまざまですが、その多くは性格や能力のせいではなく、環境や関わり方で変えられるものです。原因が違えば効く対応も変わるので、代表的な4つから、わが子がどれに近いかを見分けてみてください。
語彙が足りず考えを言葉にできない
考えていないように見えて、実は頭の中にある思いを、言葉にできていないだけのこともあります。考えるという行為は頭の中で言葉を組み立てる作業でもあるので、知っている言葉が少ないと、感じてはいても「わからない」「べつに」としか出てきません。
このタイプの子には、答えを急がせるより、言葉にする手助けをしてあげるのが近道です。「楽しかったって、どこがいちばん楽しかった?」のように具体的に聞くと、言葉が出やすくなります。
失敗を避けたい気持ちが先に立つ
間違えたら恥ずかしい、怒られたくない。その気持ちが強いと、子どもは考えること自体を避けるようになります。考えて答えを出すのは、間違えるかもしれないリスクを引き受けることでもあるからです。
とくに、これまで間違いを強く指摘されてきた経験があると、考えないほうが安全だと身についてしまいます。この場合は、正解そのものより、考えた過程を認めてあげることで、少しずつ挑戦できるようになっていきます。
親が先回りして答えを出してしまう
これはとても多く、気づきにくい原因です。子どもが困っていると、つい「こうすればいいよ」と答えを渡してしまう。よかれと思った行動ですが、これが続くと、子どもは待っていれば親が答えをくれると覚えてしまいます。
忙しいときほどやってしまいがちですが、気づいたときに少しだけ待つ、答えではなくヒントにとどめる。それだけでも、子どもが自分で考える余地は大きく広がります。
発達の特性が関係する場合の見分け方
ここまでの関わりを試しても、年齢のわりに言葉でのやりとりが極端にかみ合わない、特定の場面でだけ強くつまずく、といった様子が続く場合は、発達の特性が関係していることもあります。
ただ、これは家庭だけで判断するものではありません。気になる状態が長く続いたり、毎日の生活に支障が出ていたりするときは、抱え込まずに、学校の先生やスクールカウンセラー、自治体の発達相談窓口に相談してみてください。早めに専門家へつながること自体が、子どものための前向きな一歩です。
家庭で子どもの考える力を育てる関わり方

原因が見えてきたら、次は関わり方を少し変えてみましょう。
今日からでも始められる4つを紹介します。
答えをすぐ教えず問い返す
考える力を育てる関わりの基本は、答えを教える代わりに問い返すことです。子どもに質問されたとき、すぐ答えるのではなく、「あなたはどう思う?」と一度ボールを返してみてください。
「これどうやるの?」と聞かれたら、「どこまではわかってる?」「どこで止まってる?」と返してみると、子どもは、自分がわからない部分はどこなのかを、自分の言葉で探そうとします。この一往復があるかないかで、考える機会は大きく変わります。
子どもの考えを引き出す問いかけをする
問い返すといっても、問い詰める形になっては逆効果です。「なんで?」だけだと責められているように感じる子もいるので、正解を当てさせる質問ではなく、考えを広げる質問に変えてみましょう。
- 「どっちがいいと思う?」と選ばせる
- 「もし〇〇だったらどうする?」と仮定で考えさせる
- 「どうしてそう思ったの?」と理由をたずねる
このように、どれも答えが一つに決まらないので、子どもは安心して自分の考えを口にできます。
日常の体験を考える機会に変える
考える力は、机の上だけで育つものではありません。いつもの家事や買い物を少し任せるだけで、考える場面はいくらでもつくれます。
たとえば、買い物で「100円安いこっちと、量が多いこっち、どっちがお得かな」と一緒に考える。夕飯の献立を相談する。週末の予定を子どもに立ててもらう。どれも、比べて、選んで、理由を説明するという、考えるプロセスがそのまま入っています。
子どもの意見を否定せず受け止める
これらの土台になるのが、子どもの考えをいったん受け止める姿勢です。せっかく口にした考えを「それは違うでしょ」とすぐ否定されると、子どもは次から考えを言わなくなってしまいます。
たとえ的外れに思えても、「なるほど、そう考えたんだね」とまず受け止める。そのうえで「じゃあ、こういうときはどうかな?」と一緒に深めていけば、子どもは否定されずに考え直す経験ができます。
関連記事:子どもの自己肯定感を高める方法|今日からできる声かけと接し方
考える力を育てるときに親が避けたい関わり方

やってみたいことの次は、気をつけたいことです。よかれと思った関わりが、かえって考える力にブレーキをかけることがあります。代表的な3つを、言い換えの例とあわせて見ていきます。
答えを急かして待てない
子どもが考えている時間は、親にとっては少しじれったく感じるものです。けれど、「早くして」「で、どっちなの」と急かすと、子どもは考えるのをやめて、その場しのぎの答えを口にするようになります。
考えている沈黙は、サボっているのではなく、頭を動かしている時間です。10秒、20秒待つだけでも、子どもが自分で答えにたどりつく余地が生まれます。
過干渉で挑戦の機会を奪う
子どもが転ばないよう、つい手を出してしまうのは、親の愛情です。ただ、考える力という点では、子どもが自分で試して、ときに失敗する経験こそが、何よりの栄養です。
「それはこうでしょ」と結論を渡す前に、「どうやってみる?」と進め方そのものを子どもに任せます。多少遠回りでも、自分で選んだ道なら、子どもはそこからちゃんと学びます。
結果や正解だけで評価する
正解できたかどうかだけを見ていると、子どもは「間違えないこと」を最優先に考えはじめます。すると、間違えそうな挑戦を避け、考えること自体に消極的になっていきます。
見てあげてほしいのは、結果よりも、そこにたどりつくまでの考え方です。たとえ答えが間違っていても、「その考え方はおもしろいね」と過程を認めることで、子どもは安心して、また考えようとします。
AIやスマホと付き合いながら考える力を守る家庭のルール
先ほど触れた、AIやスマホへの不安にもう少し踏み込みましょう。大切なのは、使わせないことではなく、考える力を削らない使い方を決めることです。ここでは、家庭で取り入れやすい3つの工夫を紹介します。
AIに答えを聞く前に一度自分で考えさせる
AIやネット検索のいちばんの注意点は、考える前に答えが手に入ってしまうことです。そこで、家庭のルールとしておすすめしたいのが、まず自分の考えを言ってから調べる、という順番です。
たとえば調べ物をするとき、「あなたはどうなると思う?」と先に予想を聞いてから、AIや本で確かめます。予想が外れてもかまいません。一度考えてから答えに出会うほうが、理解はぐっと深まります。
調べた内容を自分の言葉で説明させる
AIが出した答えをそのまま写すだけでは、考える力は育ちません。調べたことが本当に身についたかどうかは、自分の言葉で説明できるかでわかります。
そこで、調べ終わったあとに「どういうことか、私にも教えて」と声をかけてみるのがおすすめです。説明しようとすると、子どもは一度、情報を自分の中で整理し直すことになります。うまく説明できないところがあれば、そこがまだ理解できていない部分だと、子ども自身も気づけます。
家庭で決めておきたい使い方の約束
そのうえで、使い方の約束を親子で決めておくと安心です。どうしてその約束にするのかまで話し合うと、子どもも納得して守りやすくなります。
家庭で決めておきたい約束の例
- 宿題はまず自分で考えて、どうしてもわからないところだけAIに聞く
- AIの答えはそのまま写さず、自分の言葉に直す
- 使う時間と場所を決める(リビングで30分まで など)
プログラミングで子どもの考える力を育てるという選択!

実は、子どもの考える力を育てる方法として「プログラミング」が役立ちます。
プログラムは思いどおりに動かないことのほうが多く、「なぜ動かないんだろう」と原因を考え、直して、また試す。この試行錯誤が、そのまま考える力の練習になるのです。
そして答えが一つに決まらないのも、プログラミングの良いところです。同じ作品を作るにも道筋は何通りもあるので、正解を当てる勉強とは違う頭の使い方が身につきます。小学校でプログラミング教育が背景には、こうした力への注目があります。
マイクラやロブロックスなど、好きなゲームの世界で学べるデジタネ

とはいえ、勉強感の強い教材だとなかなか長続きしません。
そこでおすすめしたいのが、オンラインプログラミング教材の『デジタネ』です。マインクラフトやロブロックスなど、子どもが好きなゲームの世界でプログラミングを学べるので、遊びの延長で試行錯誤を重ねられます。
実際に、受講生の保護者へ「デジタネで身についた力」を聞いたアンケートでは、約6割が「思考力」や「自主的に取り組む力」など、プログラミングの技術以外の力を挙げています。
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デジタネ編集部は、小学生〜中高生のお子さまを持つ保護者の方々に向けて、「最新の教育情報」や「学びの悩みを解決するヒント」をわかりやすくお届けしています。
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