子どもの成長は9~10歳の時期に大きく変わるといわれており、これを「10歳の壁」と呼びます。
教育界ではよく知られた現象であり、「10歳の壁」の他にも「9歳の壁」「小4の壁」と表現され、年齢に応じた子どもの発達段階と関連しています。
本記事では、10歳の壁で起こることや変化、乗り越え方について解説します。
ぜひ本記事を参考に子どもへの接し方の参考にしてください。
10歳の壁とは?
10歳の壁とは、子どもの成長と発達の中で特に重要な時期を指す概念です。
この年齢で子どもは、身体的、心理的、社会的な変化を経験します。
これらの変化は子ども自身だけでなく、親や教師など周囲の大人たちにも影響を与えます。
10歳の壁で起こることは?
10際の壁では主にこれらの変化が起こります。
- 身体的変化
- 心理的変化
- 学力的変化
以下で詳しくみていきましょう。
①身体的変化
最初に、身体的な変化が起こります。
10歳前後は、身体的な成長が加速する時期であり、子供たちは自分の体が急速に変わっていくことに対応しなければなりません。
また、身体的変化とともに、運動能力でも変化・差が出てきます。
自分を客観的に見ることができるようになるので、「自分は周りに比べて運動ができるんだ」と自覚するようになります。
逆に、「自分は周りに比べて運動ができないんだ」と自覚するようになるとも考えられます。
②心理的変化
次に、心理的な変化も見られます。この年齢では、子どもたちは自分自身についてより深く考えるようになり、自己認識が高まります。
また、自分の感情を理解し、適切に表現する能力も発展します。
③学力的変化
さらに、学力的な変化もあります。
小学校低学年での学習が不十分の子どもは、学習が十分足りている子どもに比べ、学力の低さが出やすくなります。
特に算数では学力の差が出やすく、中学年になると学力の差が目につきやすくなります。
10歳の壁の問題点は?
これまで10歳の壁について解説しましたが、実際10歳の壁では何が問題になるのでしょうか?
10歳の壁と言っても様々な場面で10歳の壁と表現することができます。
例えば、「子どもたちの関心・興味が変わるようになった」「運動ができるできないがはっきりしてきた」などいろいろな場面で10歳の壁というものが挙げられます。
しかし、10歳の壁の大きな問題点としては「学力の差」がでることだと考えています。
9~10歳くらいになると、子どもたちは「抽象的な概念」も理解するようになるといわれています。
そして、小学校では成長段階に合わせて「抽象的思考」を必要とする学習が始まります。
そのため、抽象的思考をまだ獲得できていない子どもが周囲に後れをとる現象が現れ始めます。
そこで、自分を客観視できるようになってきた子どもたちは「自分はついていけていない」など劣等感を抱きやすくなってしまいます。
以下では子どもが10歳の壁でつまずかないよう、10歳の壁を乗り越える方法について解説していきます。
10歳の壁を乗り越える方法
①子どもの変化を理解する
子どもの成長をサポートするためには、まず親や教師などの大人が子どもの変化を理解することが重要です。
子どもの感情や行動に対して耐性を持つことで、彼らが自分自身を理解し、成長する手助けをすることができます。
②適切な指導と支援
次に、適切な指導と支援を提供することが重要です。
学校の教師は、子どもたちの学習能力や社会的スキルを発展させるための環境を提供する必要があります。
③子どもに自信を持たせる
最後に、子ども自身に自信を持たせることが重要です。
子どもが自分の身体、感情、学力的な変化を肯定的に捉えることができれば、これらの変化を乗り越える力を持つことができます。
方法としては、とにかく褒めてあげることが重要です。
大人から見れば何気ないことでも、子どもからしたらがんばったことかもしれません。
子どもの言動に常に注意して、褒めてあげられることがあればどんどん褒めてあげましょう。
④体験活動をさせてみる
子どもに何かしらの体験活動をさせることも非常に効果的です。
例えば、「社会体験」や「自然体験」などさまざまな体験をさせることが重要です。
週末に家族でキャンプにでかけたり、釣りをしたり、家族で料理をしてみたりなど新たな体験を積ませることで子どもたちの刺激になるでしょう。
さいごに
本記事では10歳の壁についてご紹介しました。
10歳の壁により、子どもたちには様々な変化が生まれます。
10歳の壁に直面した子どもが劣等感を抱かないよう、保護者の方が子どもをよく観察し、正しくサポートをしてあげましょう。
「ライフスタイルとしての学び」を提供するEdTech Companyとして、最新テクノロジーを活かしたデジタル教育を提供。
マインクラフトやRobloxといった子どもに大人気のゲームを活用したプログラミング教材を提供する「デジタネ(旧D-SCHOOL)」を運営。また、小学校・中学校・高等学校向けにプログラミングやクリエイティブ授業を提供。