生成AIが急速に普及し、大人たちの生活や仕事になくてはならないものとなりました。
今後、子どもたちの教育はどう変わっていくのでしょうか。
「子どもにAIを使わせて大丈夫?」「どう付き合わせるのが正解?」そんな保護者の皆さまの疑問に答えるべく、デジタネ公式アドバイザーであり、「教育界のノーベル賞」と呼ばれるGlobal Teacher Prize 2019でトップ10に選出された正頭英和先生に、これからのAI教育の展望をお話しいただきました。

正頭先生プロフィール:小学校教諭/2019年に「教育界のノーベル賞」と呼ばれる「Global Teacher Prize(グローバル・ティーチャー賞)」トップ10に世界約150ヵ国・約3万人の中から、日本人小学校教員初で選出される。
AI時代・グローバル時代の教育をテーマにした講演も多数開催。桃鉄教育版のエデュテイメントプロデューサーもつとめる。
AIを使う前に、まずは「やりたいこと」を見つける~「最高なパートナー」として子どもにAIを与えよう~
これからの時代、子どもたちがAIと関わる上で何が重要になるのでしょうか?
まず押さえておきたいのは、大人と子どもでは、AIを使う「前提」がまったく違うということです。
私たち大人がなぜAIを使いたいかというと、明確な困り事や目的があるからです。「仕事のメールをはやく書きたい」「献立を考えるのが面倒」といった具体的な課題があり、それを解決する「便利な代行役」としてAIを使っていますよね。目的がはっきりしているからこそ、有効に使いこなせるのです。
しかし、子どもたちはどうでしょうか。彼らには、まだそこまで切実な困り事はありません。そんな状態で、ただ便利だからとAIを与えてしまうとどうなるか。「答えを教えてくれる道具」としてしか認識できず、自ら考える機会を手放してしまうことになりかねません。
単にツールを渡せばいいわけではないのですね
そうです。AIは何でもやってくれるからこそ、使い手である人間に「これが好き」「これを作ってみたい」という強い意志があるかどうかが問われます。
やりたいことがない子がAIを持つと、AIに使われて終わってしまいます。逆に「こんなゲームを作りたい」「もっと面白い絵を描きたい」という「やりたいこと」がある子にとっては、AIは最高のパートナーになります。AIの操作方法を覚えることよりも、まずは夢中になれるもの、つまり「やりたいこと」を見つけること。それが、AI教育のスタートラインだと私は考えています。
AIを子どもに渡すタイミングを見極めること~AIは「楽する道具」ではなく「アイディアを形にする武器」~
「やりたいこと」が明確な子にとって、AIはどのようなタイミングで触れさせるのが良いのでしょうか?
AIを渡すタイミングと順番はとても重要で、例えば子どもが宿題で困ってる時にAIを渡してしまうと、AIは「めんどくさいことをやってくれるもの」になってしまいます。
一方で、「やりたいことが、自分の力だけでは難しい…」というときに渡すと「AIのおかげで実現できた!」という成功体験になりますよね。
早く触れればいいというものではなく、うまく活用できたという成功体験が重要ということですね
AIは「楽をするための道具」ではなく、「自分のやりたいことを、もっとすごいレベルで実現するための味方」なんだと最初に刷り込んであげる。この「ファーストタッチ」さえ間違わなければ、子どもはAIを創造的に使いこなしていけるはずです。
よく例えるのですが、包丁は使い方を間違うと人を傷つけることがある。だけど正しく使えば料理が圧倒的に早くできて、美味しくなりますよね。
3歳〜4歳の子に便利だからといって包丁を持たせる親はいませんが、小学校高学年になってきたら、学校のカリキュラムの中では「包丁の適切な使い方」と「やってはいけないこと」をセットで教えます。
AIも同じことだなと。教えるならちゃんと「適切な使い方」と「やってはいけないこと(リテラシー)」をセットにする必要があります。
AIの活用方法とリテラシーはプロのカリキュラムで学ばせるべき~家庭ではなくプロの環境で学ぶ意義~
AIの活用方法とリテラシーを学ぶ場として、『デジタネ』のようなプログラミング学習の環境は必要だと思いますか?
非常に有効だと思います。というのも、家庭でAIを使わせる時に一番難しいのが、「どこまでAIに頼らせるか」の線引きです。
AIは便利すぎて、放っておくと全部やってくれてしまいます。
一方、人間の創造性というのは、何でも自由な時よりも「ある程度の制限」がある時の方が伸びるものです。「ここまでは自分で考えてみよう」「ここから先はAIにヒントをもらおう」というバランスが重要です。
たしかに、家庭で子どものAI利用の「線引き」を管理するのは至難の業ですね、、、
そうなんです。だからこそ、しっかりとしたカリキュラムや指導者がいる環境が重要になります。
デジタネのように、ゲームや作品などの「作りたいもの」という目標がしっかりあり、その過程で必要な箇所をしっかりと見極めたうえで、AIの力を借りるという設計になっていれば、子どもは自然と「自分で考える楽しさ」と「AIの適切な活用」の両方を学ぶことができます。
リテラシーやルールは言葉で教え込むよりも、こうした環境で「ものづくり」を通して体感する方が、子どもにとっては遥かに深い学びになるはずです。
デジタネコメント:
デジタネでは、AIを学べるコンテンツがこれからも増えていく予定ですが、子どもたちには導入の部分で、まずは「やってはいけないこと」、そして「AIを活用すると自分のやりたいことがさらに高いレベルで実現できる」といったカリキュラムを提供していくので、保護者の方にはぜひ安心してお任せいただきたいですね。
AI時代だからこそ、リテラシーを身につけさせよう〜リテラシーと情報の信憑性〜
ご家庭では子どもの教育とどう向き合えばよいのでしょうか?
学校で勉強や集団生活といった社会的なことは学べますが、AIやネットのような「急速に変化する環境」への対応までは、今の学校システムではカバーしきれないのが現状です。
だからといって、「子どもは勝手に覚えるから」と放っておくのは危険。それでは「AIを使って楽をすること」や、最悪の場合トラブルに巻き込まれるリスクだけが高まってしまいます。
だからこそ、先にしっかりと「正しい教育環境」を整えてあげることが、保護者の最も重要な役割になります。
具体的に、どのようなことを大切にすべきでしょうか?
まずは「リテラシー(道徳)」です。
AIは何でも答えてくれますが、責任までは取ってくれません。「AIが言ったから」は通用しない。「発信した瞬間に、それはあなたの言葉になり、あなたの責任になるんだよ」ということを教える必要があります。
次に、「情報の信憑性」です。
AIは非常に賢くなりましたが、それでも「AI=正解」ではありません。だからこそ、AIが出した答えを鵜呑みにせず、「本当かな?」「正しいのかな?」を調べる習慣が不可欠です。
時には、あえてAIに騙されるような失敗体験をさせて、「ほら、AIも間違うでしょ?だから自分で確認が必要なんだよ」と教えること。そうした経験を通じて「情報を正しく疑う力」を養うことも重要です。
この2つを、デジタネのような専門家の力を借りつつ身につけさせてしまうのが、間違いないと思います。
さいごに|「心を通わせるコミュニケーション」の価値を教えられるのは、やはり人である親御さん
最後に私が大好きな言葉を贈ります。
「人は長所で尊敬され、短所で愛される」
得意なこと(長所)を伸ばせば、社会で尊敬される人になれます。ここはAIや、デジタネにあるようなカリキュラムがサポートできる領域です。 一方で、苦手なことや失敗(短所)は、その人の人間味となり、周りから愛される理由になります。
AIには「愛嬌」も「感情」もありません。 だからこそ親御さんは、子どもの短所を無理に消そうとするのではなく、「その不器用さもあなたらしさだよ」と愛してあげてください。AI相手には成立しない、「心を通わせるコミュニケーション」の価値を教えられるのは、やはり人である親御さんなのです。
デジタネコメント:
「好きを伸ばす」というのは正頭先生が一貫しておっしゃっていることですね。
デジタネとしては、ゲームやYouTtubeが好きな子は、これからますます広がるデジタルの世界でどんどん活躍してほしいですし、AIという大きな武器をうまく使うことで自分の可能性を伸ばす助けになりたいと思っています。
その通りです。「好きが多い子は幸せ力の高い子」であると以前も話しましたが、技術やリテラシーの学びは専門家やデジタネに任せて、ご家庭ではぜひ、AIには代われない「人間としての温かい土台」とお子さんの「好き」をたくさん認めて伸ばしてあげてほしいですね。
AIの正しい使い方を学ぶなら『デジタネ』
AI教育で大切なのは、操作を覚えることではなく、
AIとどう向き合い、どう活かすかという「考え方の土台」を身につけることです。
デジタネでは、AIをただ便利な存在として学ぶのではなく、「自分のやりたいことを広げるための道具」として向き合えるようなコースを用意しています。
・AIを正しく理解するための基礎知識
・著作権や個人情報、SNSとの関わり方などのリテラシー
・AIの特性(間違えることがある/情報の見極めが必要な理由)
・今なぜAIが広がっているのか、将来の仕事とのつながり
・AIと対話するための基本的な考え方(プロンプトの基礎)
といった、今だけでなく数年先まで役立つ普遍的な内容を、「考えてみる → 試す → 振り返る」という流れの中で学んでいきます。
※AI関連の教材は段階的にリリースしていきます。予めご了承ください。
AIに振り回されるのではなく、自分の考えを大切にしながら、必要な場面でAIの力を上手に取り入れられる子へ。
そんなAI時代の学びの第一歩として、まずはデジタネの14日間無料体験で、AIとの正しい向き合い方や学びの雰囲気を実際に体感してみてください。
デジタネ編集部は、小学生〜中高生のお子さまを持つ保護者の方々に向けて、「最新の教育情報」や「学びの悩みを解決するヒント」をわかりやすくお届けしています。
「デジタル教育をより身近にし、未来を担う人材を育む」をミッションとして、日々コンテンツを制作。
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