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IT先進国に学べ!IT教育が発展している国に共通する特徴と日本の現状-パート2

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2020年から小学校で「プログラミング教育」の必修化が決まり、ますます関心が高まるIT教育。前回はパート1として、世界で「IT先進国」と評価される国々とその取り組みについてご紹介しました。今回はパート2として、IT教育の環境整備や導入が遅れている日本の現状と、世界で「IT先進国」と評価される国々に共通する教育の特徴を併せてご紹介します。

1. 日本の現状

前回は、IT先進国である北ヨーロッパの3つの国をご紹介しました。この3つの国の共通点は、政府がIT化の重要性をよく理解し、世界に先駆けて計画を推進したことです。では、日本の現状はどのようになっているのでしょうか。

1.1.社会

・マイナンバー制度が上手く活用されていない

マイナンバーが本格的に運用されたのは2016年1月ですが、制度が導入されてもサービスシステムの構築が追いつかず、環境や認識に変化がないと感じる国民がほとんどです。個人としても企業としても、結局「何のためのマイナンバーだったのか」とメリットを感じられないからなのはないでしょうか。便利になっていない、行政が効率化されていない、国民にメリットが伝わっていないなどデメリットばかりが目立ち、残念ながら上手く活用されているとは言えません。

・進まないキャッシュレス

日本は先進国の中でも突出してキャッシュレスが遅れている国です。その理由は色々ありますが、最大の問題は「カード不可」の店舗が未だに多いからなのではないでしょうか。つまり、現金を持っていないと困る場面があるということ。これはマイナンバーと同様に、受け入れ体制が整っていないということです。とは言え、キャッシュカードやデビットカードが使える店舗でも、好んで現金が使われているそう。その理由は、日本が他の国に比べて安全であるため、国民がキャッシュレスの必要性をあまり感じていないからかもしれません。世界の主流はキャッシュレスですが、日本に浸透するにはまだ時間がかかりそうです。

・進まない電子化

省庁ですら電子化が進まず、「改ざん」「隠ぺい」が明らかになる日本。IT後進国を象徴する「虚弱な電子政府」ということが示され、IT化への期待が一気に薄れた方も少なくないでしょう。政府がIT化の重要性を理解していないから、全てが中途半端なのかもしれません。

1.2.学校

・紙文書が大量に利用されている

連絡網やメッセージなどのアプリを利用する学校が増える一方、未だに大量の紙文書が利用されています。IT先進国でなくても、学校だよりや大切なお知らせはオンラインで直接親に送るのが当たり前の時代です。

・IT環境の整備の遅れ

先進国では、学校の各教室にスマートボードやプロジェクターなどの電子黒板が完備されていますが、日本ではPCの導入と同様に普及が遅れています。また、環境が整えられていても、上手く活用されていないケースが多く見受けられます。

・IT環境を整える「人材」「金」「情報」が不足している

教育委員会や学校にプログラミング教育を担当できる人材がいないうえ、発信できる情報も持っていない状況。また、デバイスをそろえる予算も不足しています。「人材」「金」「情報」のどれをとっても不十分で、文部科学省による打開策も提示されていません。

2.IT先進国に共通する教育の特徴

次に、「IT先進国」と評価される国に共通する教育の特徴をご紹介します。

2.1.早期のIT教育

  • ・「IT先進国」と言われる国では、小学校低下学年からIT教育が始まる。遅くても中学生で導入される。
  • ・政府がITの重要性を理解しているため、IT環境が整っている。
  • ・プログラミング言語の学習だけでなく、理論的思考の向上を目指している。

2.2.教員のレベル・指導者の質の高さ

  • ・各教員のレベルに合わせたIT研修が準備されている。教員は学校の長期休暇中に研修を受ける。
  • ・教員の自主性が重んじられ、使用する教材は教員が自由に選定する。つまり、選定できるだけの能力と知識があるということ。
  • ・教員は最低でも大学院で修士号を取得している。
  • ・オンライン教室や自主学習で教員が自らIT能力を高めている。
  • ・教員や教育関係者を支援するIT教育を統括する機関が存在する国もある。
  • ・IT教育を推進することで、次世代の教員を育てている。

2.3.環境

  • ・エストニア・スウェーデン・フィンランドでは義務教育が無償。つまり、国が教育を重視しているということ。
  • ・政府主導でIT教育が推進され、IT環境が整っている。
  • ・「自立性」「創造力」を育む教育姿勢。
  • ・教師が教えるのではなく、生徒に発見させる授業を行う。
  • ・学校自体がIT化されている。
  • ・タブレットの活用。スウェーデンでは1人1台支給の学校もある。
  • ・エストニアの小学1年生のスマホ保有率は90%超え。校内での使用も許されている。

まとめ

IT教育が発展するIT先進国では、教育現場だけでなく学校運営もIT化され、さらに社会全体のIT化も進んでいます。日本は世界のIT先進国に学びながら、独自のIT教育、IT化社会を築くことが求められているのかもしれません。これからの時代を生きる子どもたちが確実に能力を身につけられるように、学校教育だけでなく、家庭レベルでのIT教育に取り組んでみてはどうでしょう。

この記事を書いた人
デジタネ編集部

「ライフスタイルとしての学び」を提供するEdTech Companyとして、最新テクノロジーを活かしたデジタル教育を提供。
マインクラフトやRobloxといった子どもに大人気のゲームを活用したプログラミング教材を提供する「デジタネ(旧D-SCHOOL)」を運営。また、小学校・中学校・高等学校向けにプログラミングやクリエイティブ授業を提供。

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