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文科省も認めた!2020年英語教科化、プログラミング学習必修化でどうなる?



新学習指導要領により、2020年から小学校で英語が教科化、そしてプログラミング学習も必修化が盛り込まれることをご存じですか?英語は、2020年より小学校3年生から必修化、5、6年生で「教科化」されることが決まっています。いったいこれからの英語教育はどうなっていくのか?また今後の展望について、この記事では英語教育を中心にご紹介したいと思います。

読み書きそろばん、プラス「英語&プログラミング」

新学習指導要領により、2020年から小学校で英語が教科化、そしてプログラミング学習も必修化が盛り込まれます。英語とプログラミングを身につけることが、次の時代を生きる子どもにとっては、読み書きそろばんのように必要になるといえます。

「知識基盤社会」の必須ツール

文部科学省は、「『知識基盤社会』(knowledge-based society)の時代『生きる力』をはぐくむ」という理念を打ち出しています。

「知識基盤社会」?聞き慣れない言葉ですね。お役所らしくわかりにくい言葉を持ち出してきました。

・知識には国境がなくグローバル化が進む
・知識は日進月歩で、競争と技術が絶え間なく生まれる
・知識の進展は旧来のパラダイム転換を伴うことが多く、広い知識と柔軟な思考力に基づく判断が一層重要になる
・性別や年齢を問わず参画することが促進される

現行学習指導要領の理念 (文部科学省)

「知識基盤社会」は以上のような社会だそうです。言っていることは1つ1つ納得できますが、なんだかわけがわかりません。たぶん文部科学省もそんな先のことははっきりとイメージできないので、煙に巻こうとしているのかもしれませんね。

要するに、学校でいろんな知識を教えてるけど、知識を覚えるだけでなくて、世の中のスピードの速さとグローバル化に対応できるように知識を使える人に育てていかなくちゃといういうことだと思います。これは親としても同感です。

なんでも検索できる時代に、知識を詰め込み物知りになることは重要でなくなりました。いかに知識を使いこなすかということが重要です。そんな時代に必要なツールが、英語とプログラミングであり、今回の学習指導要領でも新たに盛り込まれたのです。知識を使いこなす道具として、従来の読み書きそろばんに加えて、次代の子ども達は英語とプログラミングを手にし、使いこなしていかなければならないのです。

やっと腰をあげた文部科学省

英語の早期教育には否定論も根強く、またプログラミングにいたっては、たぶん多くの人が必要性も学習内容も理解できないかもしれません。

しかし、世界の教育事情を知ってる人々にとっては、少し遅きに失した、やっと文科省も腰をあげたのだという感があります。英語の授業を小学校から取り入れている国は多く、特にお隣の韓国や中国からは、だいぶ遅れをとっています。またプログラミング学習も、フィンランドでは既に小学校から必修科目となり、アメリカやシンガポール、イギリスなどはプログラミング学習を積極的に導入しようとしています。

2020年小学校英語「教科化」!

それでは、まず小学校での英語の「教科化」っていったいどうなるのか?ご紹介していきましょう。2020年から小学校の5、6年生で英語が「教科化」されることをご存じでしたか? 2020年からの完全実施に向けて、2018年から徐々に導入が始まります。

教科化で何が違うのか?

以下のような違いがあります。

・英語の検定教科書が登場
・成績が評価される
・授業時間が年間70時間(週2コマ相当)ほどになる
・英語の「読み・書き」も習うようになる

現在5、6年生の英語は、必修とされていますが、特に授業時間も決まっておらず、英語を総合学習の時間や学級活動の時間に入れて指導されている現状です。教科書も特にありませんし、成績として評価されることもありません。授業も英語に触れて親しむということに主眼が置かれており、歌やゲームなど遊びの中で英語に触れる内容になっていて、小学校によって内容や取り組み方も違っています。

しかし、英語が教科化されると、国語や算数と同様な扱いとなります。まず、今までになかった小学校の英語検定教科書が登場します。また教科化後は、授業時間は年間70時間程度、週2コマ程度確保する必要があります。

また、現状では5,6年生では、「話す」「聞く」中心で、歌やゲームなど英語に親しむ取り組みでしたが、英語の「読み書き」も内容に盛り込まれていくと思われます。今までよりも「より系統性を持たせた指導」が行われることになります。ただし、中学校で学ぶ内容を単に前倒しするのでなく、小学校の発達段階に応じた内容になると文部科学省は言っています。

小3年生からの外国語活動でどうなるか?

小3、小4で、現在小5,6でやっていた「話す・聞く」中心の学習が前倒しされていくこと思われます。週1コマ程度、年間35時間授業が増えることになります。

英語の体験や、外国語の音に慣れることや、積極的にコミニュケーションするなど、英語を学ぶということもさることながら、「コミュニケーション能力の素地」を養うことに主眼が置かれています。

小学校英語教科化の問題点

指導者はどうする?

一番の不安点は、指導者をどうするかということです。2014年9月の調査では、小学校教員で中学校の英語教員免許を持っているのは4.1%だそうです。

現状では、担任教師がALT(外国語指導助手)の先生と連携して授業を行っています。しかし、教科となるとどんな内容にするのか、ALTの先生の質を高めることができるのか、音楽の専科の先生のように、英語の教科担任を作るのかなどと進め方についても議論されています。

また英語の授業のための教員の研修や研究も行われていますが、全国的に粒の揃った質の高い英語の授業にするには少し不安が残ります。

授業時間数の問題

また文部科学省が、悩んでいるのは授業時間の問題です。小学校高学年の一週間の授業数は全部で28コマ。小学校現場では、これが限度だそうです。現在英語を週1コマ35時間行っているとしても、教科化には、もう1コマねじ込まなければなりません。

そのため、土曜日や長期休暇を利用するか、あるいはモジュール学習として毎日10分程度の帯学習をするかなど検討されています。

いずれにしても、現状の学習内容を減らすことなく英語をきちんと勉強できるのか調整中のようです。

子どもが英語嫌いにならないか?

教科化によって子どもが英語嫌いにならないか不安も残ります。成績がつけられるということで、苦手意識を子どもが持つようになってしまうと、早々と英語嫌いになってしまい学習意欲を失うことになります。

今までの5,6年生への必修化の段階では、良い結果が出ています。実施されたアンケートで「英語が好き」「英語が使えるようになりたい」と回答した子どもの割合は若干多くなり、中学校の学習において小学校で学んだことが役立ったと応える子どもが増えています。

英語教科化においても、英語が楽しい、英語ができて良かったと多くの子ども達が思えるような学習内容にしてもらいたいものです。

中学校入試に導入される?

まだなんとも言えませんが、入試をする側の私立中学校は、将来の大学入試を見据えて、少しでも英語ができる生徒を採りたいという気持ちがあると思います。中学入試に英語が入れば、進学塾が英語を教えるようになり小学校の英語のヒートアップは免れません。

現状の中学入試で、国語や理科・社会などは、高校入試レベルあるいは大学入試に匹敵する問題を解いています。算数は、大人にも解けないような複雑な問題を短時間で回答しなければなりません。英語の中学入試導入で、一部の子ども達の英語力は飛躍的にアップするでしょうが、子どもも親も負担が増える、レベルの差が開きすぎるなどの問題点も懸念されます。

英語早期教育をポジティブにとらえましょう

「英語の前にまずは母国語を確立してから」などと英語の早期教育には否定論も多いのですが、やはり小学校での英語は時代の要請だと言えます。グローバル化の時代、誰でも否応なく英語でコミニュケーションしなければならない可能性があるのです。

不安点も書きましたが、「英語を話すことで世界が広がって楽しい!」という気持ちを子ども達が持つように、親も英語教育に対してポジティブに応援して行くことができればいいと思います。いたずらに不安にならず、また全て学校まかせ、お上任せにするのでなく、いろんな情報を得た上で、ぜひ積極的に子どもの可能性をのばすように、親も働きかけていけるといいなと思います。

参考:小学校における英語教育の充実について
(論点整理に向けて)平成27年7月22日
教育課程企画特別部会 参考資料2

この記事を書いた人
デジタネ編集部

「ライフスタイルとしての学び」を提供するEdTech Companyとして、最新テクノロジーを活かしたデジタル教育を提供。
マインクラフトやRobloxといった子どもに大人気のゲームを活用したプログラミング教材を提供する「デジタネ(旧D-SCHOOL)」を運営。また、小学校・中学校・高等学校向けにプログラミングやクリエイティブ授業を提供。

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